2007/8/17−9/16掲載

自然の成り立ちを考える時に、何万年、何億年という時間の尺度が出て来ます.木曽駒の北斜面には2万年昔の氷河期に出来た岩塊斜面があり、私たちはそれを何げなく横断しています.自然は四次元の世界に私たちを誘ってくれているのです.

日本の山には約2万年前の最終氷期の痕跡が数多く残っています.実は峨々たる山の姿は、多くの場合最終氷期の氷で仕上げられたものなのです.氷が斜面を削り、同時に低温により岩石の凍結破砕が促されます.上にあった大きな岩(母岩)が、崩れて下に落ちてきます.それでこのような岩が崩れて流れたような岩塊斜面が出来るのです.ここを横断するときに心を2万年昔にスリップすることが出来ると面白いのです.