山の自然学クラブ:里山再生活動

御宿 南房総ふるさとの里地里山再生・管理活動

活動の概要

当会では、平成20年から千葉県御宿町で里地里山再生事業を始めることとなりました。
 平成20年11月1日に土地の所有者である株式会社江口(東京都港区)と里山協定を締結、正式に活動を開始いたしましたので、ご報告いたします。

現地は昔ながらの谷戸地形が残り、冬でも湧水が見られる、たいへんきれいなところです。関心のある方のご参加をお待ちしております。

この協定について

締結者

株式会社江口(東京都港区)と当会の二者協定 /千葉県の認定を受けます

協定の名称

「御宿 南房総ふるさとの里地里山再生・管理活動」

土地の区域・面積

  • 所在地:千葉県御宿町
  • 土地の面積:株式会社江口所有地 12.76 ha

協定の期間

平成20年11月1日〜5年間 それ以降は協議により更新・締結

活動内容

当会では下記の考え方により活動を実施します。

(1) 里地および里山は、人が関わることによって保たれてきた二次的な自然です。したがって定期的な管理・保全活動を行うことが重要と考えます。

  • 人工林は、健全な森林育成のための間伐および保育、刈り払い、広葉樹林への樹種転換
  • 二次林は、健全な広葉樹林を再生、育成
  • 放棄水田および湿地の区域は、出現草木の除去など乾燥化を防ぎ湧水を確保するための措置をおこなう
  • その他必要な作業

(2) 植生・動物相などの変化を観察し、その結果を記録する

(3) 自然観察会などを随時行い、地域の方々や一般市民の環境教育に寄する活動を行う

(4) 環境教育に必要な、周辺の歴史・自然に関する資料を収集管理する

当該箇所の自然について

典型的な谷戸地形と伝統的な農法の水田が残る 周辺の山林が主な対象地となります

概ね20年くらいは放置されているが地形で下記のように区分できます

  1. 上部 − 造成地跡
  2. 斜面 − 人工林、二次林、自然林、入り交じる
  3. 谷地形 − 湧水あり、水田跡、湿地状など多様、ため池跡あり?(地目に残る)

イノシシの水田への被害が深刻です。したがって当面、食害対策を兼ねた刈り払い作業を中心に、活動を進めることにします。

御宿里山保全活動 2009年の活動予定

自然再生活動部会で取り組んでいる、富士山の活動などと日程を調整しながら行います。植生が繁茂しているので、冬期間にできるだけ刈り払いを進めることを当面の目標にしたいと思います。新緑の時期の植物観察会や、ゲンジボタルの観察会などしながら植物や生き物などを、記録していきたいと考えています。

活動内容・目的
やり方など
区域内踏査、マップ作成 御宿町の方々に現場の特徴を聞き取り調査
イノシシの食害回避 水田に近いところから刈り払いをして見通しを確保
人工林の林縁の植生除去 主にススキなど草本、ササ・タケ類、ツタを対象
湧水の確保、乾燥化の回避 水田跡、湿地の刈り払い作業(掘り起こしも検討)
里山利用・活用の役割復活 収穫できるものは収穫、種採り、不要樹種の排除